
中学2年生の秋ごろから進路調査がはじまり、いよいよ高校受験について考えるようになりました。比較的早くから進路に関しては長男と話していたこともあり、高校進学を希望していましたが全日制は向かないだろうという判断と本人の意向で「通信制高校」を視野に入れることに。
「通わずに高校卒業できる」イメージでしたが、通信制高校にもさまざまな学校がありました。
勉強の方は自分で計画を立てながらマイペースに進めていたため、受験までに中学3年分の学習をクリアできず、試験も受けたことがない長男でしたが無事に合格し、現在も通学しています。
高校に進学した後にどうなりたいのか、やりたいことはあるのかなど、本人の希望を聴きながら高校の資料を取り寄せたり学校説明会に参加してみたりすることからがスタートでした。
通信制高校の特徴と受験内容、サポート校とは?
「通信制高校」とは、毎日の通学をしなくても自宅学習や添削指導(レポート提出)、面接指導(スクーリング)などで高校卒業を目指せる学校です。卒業時には全日制や定時制と同じく「高校卒業資格」を取得でき、公立・私立ともあります。
「サポート校」とは通信制高校を3年間で卒業できるように、勉強面や精神面の支援を専門的に行ってくれる民間の教育機関です。いわゆる塾のような存在で、サポート校は「学校」ではありません。通信制高校を選ぶ際に「●●高校〇〇校」とあれば、「●●高校と提携しているサポート校の〇〇校」ということです。
その内容はサポート校によって違いはありますが、少人数制や担任制の体制が整っており、生徒ひとりひとりに合った学習支援や精神面のサポートを受けられます。子どもだけでなく保護者も気軽に相談できることが利点かと思います。主に私立の通信制高校にサポート校があることが多いのですが、利用の有無を選べる高校もあります。

サポート校については混乱しがちですが、わたしが理解しやすかった点は、学費を「大元の通信制●●高校と、サポート校である〇〇校に支払う必要がある」という点でした。笑
卒業までに必要な3つの条件
3年間以上の在籍期間と国語・数学・保健体育などの科目74単位の取得に加え、特別活動30単位の取得で卒業可能となります。「単位制」が採用されているので、全日制のような1年生・2年生・3年生といった学年、またクラスがなく、個々で必要な授業を選び単位を取得していくので、卒業までにかかる期間は子どもによって差がでてきます。頑張って3年間で卒業してほしいですね。

①3年間の在籍
高校に3年間在籍しなくてはなりません。他の通信制高校などに編入する場合、それまでの在籍期間や科目取得数を引き継げますが、入学時期が決まっていますので編入先の学校に合わせることが必要です。
②科目74単位の取得
1年間で取得できる単位数が決まっているため、2年分の単位を1年間で取得することはできません。「単位」とは「学習量」のことで、全日制では週1回1時間の授業が1単位、通信制高校の場合は1単位につき3回のレポート提出が基本的に必要で、時間にするとおよそ50分間です。この「単位」の取得数を子ども本人がわかっていないと、卒業までの期間が延びてしまうおそれがあるので気をつけた方がよさそうです。
③特別活動30単位の取得
特別活動とは授業以外の時間のことを指します。全日制ではホームルーム活動の時間も加算されますが、通信制高校ではそのような時間はほとんどありませんので、主に体育祭・文化祭・遠足や修学旅行といった学校行事に参加した時間数です。こちらは年間に取得できる単位数に制限はありません。1年目から修学旅行に参加できたり、2年目でも入学式に参加して単位を取得できる学校もあります。長男が通う通信制高校では、2年目の前期にはこの特別活動30単位をクリアしている生徒さんも多く見受けられました。
通信制高校の受験資格と受験内容はどんなもの?
通信制高校への受験資格・入学条件は、「中学校を卒業している・または卒業見込みである」「中学校卒業程度と同等の学力がある」方なら年齢制限なく、15歳以上であれば誰でも受験できます。高校を卒業している人は受験・入学できません。
受験内容は学校によって違いがありますが、主に以下を実施することが多いようです。
- 学力テスト
- 面接
- 作文
長男は2校受験したのですが、1校目は学力テストと面接・作文の提出、2校目は面接のみでした。受験前に中学校で、面接の練習と作文の添削をしてもらい、無事に両校合格できました。学力テストは国語・数学・英語の3科目で基本的な問題(時間は30分程度)だったそうです。作文は願書に添付されており、受験校からの指定題目に沿って前もって記入し面接時に提出するかたちで、長男が受験した高校の指定文字数は400字でした。
志望校を決めるまでに行ったこと
高校進学を希望というもののすぐに志望校まで決まるわけではなく、受験校を決めるまでには何か月かかかりました。長男本人も「通信制高校」に関してざっくりしたイメージしかなかったので、詳しく理解できたのは一緒に学校説明会へ参加してからでした。
気になる高校へ資料請求
いちばん初めに行ったことは「資料請求」です。インターネットで検索し、長男が興味がありそうな通信制高校のパンフレットを10校分取り寄せました。すべて私立校です。
わたしの地域では通信制がある公立高校は1校しかなく、資料請求はできなかったためホームページで内容を把握し、電話でいろいろお話を伺いました。結局、学校見学には行きませんでしたが実施はされていました。
学校説明会への参加と個別面談
4月から夏ごろまでは、毎月どこかで「合同学校説明会」が実施されていました。そちらに足を運ぶのもよいのですが、参加校のほとんどが全日制でしたので、わたしたちは参加したことがありません。
資料請求からピックアップし、学校説明会に参加することに。同時に個別面談も申し込みました。学校説明会には保護者のみが参加できる高校も多いのですが、可能であれば子どもと一緒に参加すると個別面談を受けられるのでおすすめです。個別面談では、子どもからの質問に先生が受け答えしてくれますし、不明点についてより詳しく教えてくれます。学費についての細かな説明もありました。オンラインで説明会に参加できる高校もありますよ。
体験会や文化祭など学校行事への参加
通信制高校でも文化祭や体育祭といった行事を行う高校もあります。週に1回等、スクーリングが必要な高校を希望する場合は参加してみるとその学校の雰囲気や特色がわかるかもしれません。また、プログラミングやイラストなどといった専門コースが設けられている通信制高校は、中学3年生向けの体験会や行事を実施している学校が多く見受けられます。
余談・・・えんあさ家の場合は、、
ウチの場合は、7月の三者面談で「通信制を希望なら〇〇高校が人気なんだよな~」という、何気ない先生のひとことがキッカケでした。それまでにさまざまな通信制高校をパンフレットやホームページで拝見し、いくつか説明会にも参加していましたが、なにより長男のスイッチが入らない。。
ある高校の学校説明会の日でした。長男寝坊のため説明会の時間に間に合わず、キャンセルに。。ですがその日たまたま先生が言っていた高校の説明会があるではありませんか!しかも午後から予約なしOK!これなら間に合う!と足を運んだところ、、。
「ここにする」
日がよかったのか、もう説明会に行きたくなかったのか(笑)、何はともあれ長男はいいなと思ってくれたようです。この高校はオンライン学習は一切なく、週1~3回の登校をしながら授業に出席+レポート提出、最後に教科ごとの試験がある通信制高校です。長男の決め手は「自転車で通える距離だから」ということで、わたしとしては少々不安がよぎりましたが「入学したらパソコンコースを受講したい、スノーボードツアーに参加したい」など、入学後の希望やイメージが見えたのでほっとしました。
長男はこれまでの経験から、自宅でのオンライン授業は集中できないこと・電車通学はしたくないことなど、自分に不向きなことをちゃんと理解していて、親としては少し成長を感じた瞬間でした。「単位制」が合っていたのか、自身で計画を立てながら遅刻しないように(笑)通っています。
大事なのは子ども自身が選ぶこと
不登校や引きこもりなどで進学の話がなかなか進まないこともあると思いますが、進学を希望するのであれば、まずはわたしたち保護者が「いろいろな高校があること」「高校へ進学できること」を示し、子どもが少しでも自分の未来のことを思い描けるよう道しるべをつくってあげられればと感じます。どこで子どものスイッチが入るかわかりませんし、興味がわけば決まるまで意外と早いかもしれませんよ。
入学後、卒業まで行動するのは子ども本人です。自分で決めて、自分の力で合格した高校で学ぶことは今後なにかの力になっていくと信じています。